牡蠣の産卵について
牡蠣の赤ちゃんは、主に7月から8月にかけて誕生する。
水深の浅い方が牡蠣の産卵は早い、理由は表層部は水温が温かくなることが多いからである。
牡蠣の産卵には積算水温が関係している。積算水温とは 1 日の平均水温を毎日足し上げた数値を表す。
要するに、積算水温が一定の値を超えたら産卵する可能性が上がる。この積算水温が表層の方が早く一定値を超えるため、表層部から産卵し、徐々に水深の深い方が産卵していく。
また、牡蠣にはオスとメスがおり、子をお腹に持っている時期にお腹を切って出る白いドリップを見てオスとメスの判断をする。
白いドリップに粒々が見えるのがメスで、白いドリップがさらっとしているのがオスである。理由はメスが持っている卵の方が大きいから粒々が見えるのである。
この方法は人工採苗の際に使う技術のため、普段扱う自然採苗ではオスとメスを気にすることはない。
牡蠣の赤ちゃんの成長について
牡蠣の赤ちゃんは約2週間の間、海中を漂いながら成長していきます。
牡蠣の赤ちゃんの餌は植物プランクトンである。植物プランクトンの中でもキートセロス(Chaetoceros)の細胞数の少ないもの等、親牡蠣よりも小さい餌しか食べれないため、餌の種類も限られる。
そのため牡蠣の赤ちゃんが育つためには、綺麗な透き通った海ではなく、豊かな海である。
綺麗な海と、豊かな海は違う。
綺麗な海は見た目は美しいが、生き物にとっては餌が少なく、栄養が不足してしまう為、住みづらい海である。
一方、豊かな海は栄養が多く餌となるプランクトンが多い為、生き物の暮らしやすい海である。栄養が多いと海は透き通ってみるのが難しくなっていく。
上記のような点で、綺麗な海と豊かな海は違っている。
牡蠣が元気よく育つ為には、豊かな海を目指さなくてはならない。
2週間の間の過酷な生存競争を生き抜いた牡蠣のみが、一生を過ごす場所(岩や岸壁、貝殻等)に張り付いて成長し、そこから2~3年かけて出荷できるサイズまで大きくなっていく。
牡蠣の赤ちゃんが採れないと
この時期に牡蠣の赤ちゃんが採れないと、牡蠣屋にとっては死活問題。
売る商品がなくなってしまうからだ。
そのようなことがないように、この時期の牡蠣屋は情報戦を繰り広げる。
どこで採れるか?
いつ採れたか?
互いに協力しながら情報を共有し、牡蠣の赤ちゃんの採苗を行なっている。
まとめ
牡蠣にはオスとメスがある。
牡蠣の赤ちゃんは最初は海を漂っている。
牡蠣の成長には、植物プランクトンと豊かな海が必要である。
牡蠣の赤ちゃんは2週間海を漂った後、一生を過ごす場所(岩や岸壁、貝殻等)に付着する。
このような原理を利用し牡蠣屋は、牡蠣の赤ちゃんを採苗する。
牡蠣の赤ちゃんがとれないと牡蠣屋にとっては死活問題。
コメント