牡蠣の幼生の付着が始まった

牡蠣

7月上旬の牡蠣の幼生の状況

牡蠣の小型幼生の状況について

例年では、7月の上旬に牡蠣の産卵により、小型幼生が大量に発生するのだが、今年は例年よりも小型幼生の数が少なかった。また、小型幼生のその後の生存確率もあまりよくなかった。

海況について

例年では海の表層部と深い場所で水温の違いから、暖かい層と冷たい層に分かれるのだが、雨や曇りの日が続いた影響により、表層部の水温が上がらず暖かい層が形成されておらず、小型幼生があらゆる深さの層に散らばったと考えている。

また、広島湾内では、春から続く赤潮の影響により酸素不足に陥った魚が死んでいることもあり、赤潮の原因となるプランクトンは牡蠣の餌にはならないと考えられるため、牡蠣の生育にも少なからず影響を及ぼしている。

広島湾の外で養殖していた魚も、酸欠により死んでいたようだ。

広島の川では、普段海にいるはずのチヌ(クロダイ)が大量に確認できた。例年にないほどの群れだったが原因は不明である。

チヌは雑食で、主にムール貝(せと貝)や牡蠣などを食べる。牡蠣養殖業者にとって、チヌによる食害は頭痛の種である。

7月中旬の牡蠣の幼生の状況

牡蠣の幼生について

牡蠣の幼生は、順調とはいえないながら、中型幼生にまで育っている個体が増えてきた。このままいけば下旬には付着まで持っていけるだろう。

海況について

牡蠣の採苗地である、広島湾の外の大黒神島周辺では赤潮が見られなくなった。

その数日後には、広島湾内でも徐々にではあるが赤潮ではなくなっていった。

また、7月の13日に広島の梅雨が明けた。梅雨明け後、2日間はゲリラ豪雨があったものの、その後は晴天に恵まれ、表面水温はグングン上昇した。

表面水温が上昇したことにより、海が温かい層と冷たい層に分かれた。その結果、牡蠣の幼生が温かい層に集まってきた。

また、梅雨明け後の晴天続きにより、牡蠣の餌となる珪藻類のプランクトンが光合成により増えていった。

梅雨時期にちゃんと雨が降ったことも、プランクトンにはいい影響を与えた。理由は、山から川、川から海へと雨水が山の栄養を運んだからである。

7月下旬の牡蠣の幼生の状況

牡蠣の幼生について

7月22日(木曜日)に大黒神島で牡蠣の付着が見られると情報が入った。

7月23日(金曜日)に大黒神島でコレクタを投入。なお大黒神島南部と東部の成績が優秀だった。

7月25日(日曜日)に湾内でも付着しそうであるとの情報が入り、美能と三高でコレクタ投入。

7月26日(月曜日)に最初に投入したコレクタに牡蠣の付着が、100個前後みられることから、黒神の第2陣を投入。

7月27日(火曜日)黒神で最初に投入した牡蠣の種が仕上がったため、三高まで持って帰った。

7月28日(水曜日)日曜日に美能で投入したコレクタの成績が悪かったため、美能のを黒神に移動、それと同時に黒神第3陣を投入。

7月29日(木曜日)三高においてあった黒神の第一陣の種の一部を、抑制棚に移動。消えないかの実験。日曜日に投入していた三高の種板が汚れていたため、筏の上で干した。

7月30日(金曜日)三高においてあった黒神の第一陣の種の残りをすべて抑制棚に移動。黒神の第2陣と第3陣が完成、三高に付けていたコレクタも完成していた。

7月31日(土曜日)黒神の第2陣と第3陣の筏ごと三高に移動。

海況について

牡蠣の大型幼生がどことなく湧いて出てきた。中型以降の歩留まりが優秀で多くの幼生が生き残ったいた模様。

餌の量もだんだん増えていった。しかし、月末の黒神では幼生の量が多いせいか餌の量が減少傾向にある。

今後の予定

8月5日の木曜日までに抑制棚に種をかわしたい。

抑制棚での管理を徹底して、死なないようにする。

まとめ

牡蠣の採苗は牡蠣業者が、牡蠣業者であるために重要な時期である。

理由は採苗に失敗してしまうと1年後、2年後の牡蠣が無いことになり、経営が厳しくなるからである。

今年も採苗が順調にいき、1年後、2年後も営業できます!

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