牡蠣養殖と台風の関係

牡蠣

台風は牡蠣養殖にどのような影響を及ぼすのか?

台風は牡蠣養殖にとって天敵である。

理由は牡蠣自体は水中にいるのだが、牡蠣を吊るしている筏は海面にあるからだ。

そして、台風により波が高くなると、筏が上下に揺さぶられる影響で牡蠣が海底へとボロボロ落ちる。牡蠣が無くなる分、損失である。

それ以外にも、竹でできている筏自体が壊れてしまうこともある。そうなると、牡蠣ともども海の藻屑となてしまう。

また、風に飛ばされた枯れ木などのゴミもたくさん流れていて、船の通り道を塞いでいたりする。最悪の場合、船のスクリューがゴミを蹴ってしまうと、スクリューが壊れてしまう。

よく壊れた筏なども流れている。

このように海の様子が一変する。

台風対策

台風が近づくと、生産者は数日前から天気予報と睨めっこ。

気象庁やウェザーニュース、AIなどの台風情報を駆使しどの向きに風が吹くかを予想する。

広島は、豊後水道をとおり、山口県を通り日本海に抜けていくルートだと被害が大きい。

理由は、豊後水道を通ることにより、山などにぶつからず勢力が弱らない。

さらに、台風は東のほうが勢いが強い。山口県を通ると広島は台風の東側に位置するからだ。


日本海側(島根の沖)の離れた場所を台風が通ったとしても、南の風が結構吹く。

逆に四国沖の方を台風が通ると被害が少なくて済む。


このように台風の通る場所まで計算に入れた行動をとらなければならない。

筏を島の風裏になる場所に移動する。そうすることで風の勢いが小さく被害が少なくなる可能性が高くなる。

筏同士を複数のロープやワイヤーなどで繋ぎ、台風でも流れていかないように強化する。

また、筏を浮かすために使うフロートが風で飛ばないように筏に針金で固定する。

港の中は、船が台風の風で流されないように船同士や、護岸にロープを繋ぎ、船を固定する。

台風で数百万~数千万規模の被害が出る可能性がある為、いつも最悪の状況を想定して対策をする。

台風によるメリット

ほとんどメリットの無い台風だが、少しだけメリットがある。

それは、山からの栄養が、川を通って海に流れ込むからだ。

数日は土や折れた木などで海が汚くなるが、その後は栄養が豊富なことからプランクトンが育ちやすい環境になる。

雨が降ることにより、真水に弱い牡蠣の天敵のヒラムシなどの害虫を、駆除することができる。

このように、少なからずメリットはあるが、やはり来ないに越したことはない。

まとめ

台風対策は重要

対策は最悪の事態を想定する。

生産者は台風情報と睨めっこ。

デメリットばかりではない。

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